4月29日に行われた2024年MotoGPクラスのヘレス公式テストで、2台のバイクを走らせた中上貴晶(イデミツ・ホンダLCR)。83周走り、81周目に1分37秒326を記録して16番手となったが、テストで駆ったプロトタイプとなるバイクの感触はどうだったのだろうか。
スペインのヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで第4戦スペインGPの翌日に行われた公式テストでは、中上はヨハン・ザルコとともにステファン・ブラドルが前日まで走らせたプロトタイプのバイクと自身が乗っている今年モデルのバイクを走らせた。
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このテストで走らせたブラドルのマシンはレプソル・ホンダ・チームのふたりも1週前にカタルーニャGPの地であるスペインのカタロニア・サーキットで走らせたものだったが、「プロトも全然ダメという噂は聞いていました。今回LCR組でテストしましたが、ほぼほぼ変わらなかったですね。最初の5周で変わらないと感じました」と中上は語った。
マシン自体の見た目は大きく変わっており、フロントもリヤ回りも空力パーツが異なるが、「あれだけバイクが違うけれど、乗ってる感覚はほどんど一緒ですね。曲がらないし、リヤグリップがないのは残念でした」というが、ヨーロッパラウンドが始まった5月時点でそれが分かったことが良かったという。
「次のステップに向けては、このプロトではダメだということを全員が言っていると思うので、どうHRCが動くのかです。この延長線上でやっていても多分進歩はないので、それが5月でわかったのは良かったかもしれません」
「どこまで苦戦が続くかがわからないですが、得意としているサーキットで遅いところ速いところ、速く走れないところがはっきりとしていました。レースウイークの時点でわかったので残念ではありますが、その反面、わかったということは自分にとっても収穫だし、エンジニアにとっても変えなければいけないことが少々わかってよかったと思います」
また、ポジティブな面は「ブレーキングとスローコーナーの出口」だという。それだけ逆にライバルたちはコーナリングスピードが速いというわけだ。
さらに、マシン改良への取り組みについて「HRCがこれからどのような方向に進みたいのかはわかりません」と中上。ザルコも「ホンダがテストチームとどのように協力しなければならないかについて、言うのは僕の仕事ではない。ホンダにこのプロトタイプで仕事をしないで欲しいとは決して言えないし、それをする立場ではない」と語った。
次回は、9月のミサノ公式テストで次の新型プロトタイプを試す予定だというが、それまでにもプライベートテストで新しい取り組みやパーツは試すことだろう。ホンダが上位を走るまではまだ遠いかもしれないが、コンセッションシステムにより少しでも早く他メーカーでの競争ができるように、HRCがどのような決定を下すのかが大事になる。
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